Honey Love
――が、この直後
隠されたそのクマに、危機が訪れることになる。
「おまたせ」
カフェオレの入ったふたつのカップをテーブルに乗せ
今では瑠璃専用になったカップの方を前に差し出した。
「ありがとう」
コクコク小さい音を出しながら、ゆっくりと飲み進んでいく。
「……ん、おいしい…」
カップから唇が離れると、カフェオレ風味を吐息をこぼした。
「――あれ?」
首を傾ける瑠璃。
その視線の先には、俺の後ろ。
つまり……クローゼット側だ。
「ん?」
まさか……バレた?
いや、瑠璃が勝手にクローゼットの中身を見るなんて到底考えられない。
じゃあ何だ――?
嫌に高鳴る胸を抑えながら、後ろを振り返った。
「……」