Honey Love



「頑張って作ったんだ」

「ありがとう」

白い箱を手渡すと、瑠璃はそっと包むようにして受け取る。


「食べていいよ……?」


大好きなチョコに関しては、食いしん坊の瑠璃。

“今食べていいのかな?家に持って帰ろうかな”

なんて、言いたげな瞳で白い箱をジッと見つめている。



「本当……っ?」

声を掛けた瞬間、パアッと明るく笑ってみせた。



――あ、
今瑠璃の周りにお花が飛んだよ。
ワンピースに咲いてる花が。



脳内が急速にお花畑を作り出して春を連れて来ようとする。


その間にも、瑠璃はチョコを頬張っていた。



「おいしい……、おいしいよ、凜久これっ」

なんて興奮している。


「良かった」


< 161 / 208 >

この作品をシェア

pagetop