Honey Love
「頑張って作ったんだ」
「ありがとう」
白い箱を手渡すと、瑠璃はそっと包むようにして受け取る。
「食べていいよ……?」
大好きなチョコに関しては、食いしん坊の瑠璃。
“今食べていいのかな?家に持って帰ろうかな”
なんて、言いたげな瞳で白い箱をジッと見つめている。
「本当……っ?」
声を掛けた瞬間、パアッと明るく笑ってみせた。
――あ、
今瑠璃の周りにお花が飛んだよ。
ワンピースに咲いてる花が。
脳内が急速にお花畑を作り出して春を連れて来ようとする。
その間にも、瑠璃はチョコを頬張っていた。
「おいしい……、おいしいよ、凜久これっ」
なんて興奮している。
「良かった」