Honey Love
りくくんの声に、なぜか泣きそうになりながら頷いた。
「おいでよ。一緒に食べよ?」
私を、ふたりの真ん中へと
導いてくれたのは……
「ありがとう……」
りくくんだった。
「名前は?」
「片瀬瑠璃って言うんだって。
って、ヨウ知らないの?」
「……ああ」
――結構広まって来てるんだよ?可愛い子が2年に転校して来たって
僕は、みんなより先に知ってたけどね。
私を真ん中に挟んで、ふたりが会話を交わす。
ようくんに突然名前を聞かれて、
一瞬ひるんだ私に変わって、りくくんが変わりに答えてくれた。
「また会ったね」
――昨日の帰り際……明日、学校で
って言ったんだよ。
聞こえてた?
そう言ってクスッっと笑う。