Honey Love
「捕まえた」
手首を捕らえられ、私の顔は凜久の胸目掛けて埋まってしまう。
「だって瑠璃っていい匂いするんだもん」
赤い顔を見られたくない私は、顔を埋めたまま。
不意に髪に触れられ、耳辺りに凜久の吐息を感じて。
「相変わらず敏感」
ピクッと肩を揺らす私に、凜久がクスッと笑う。
私は今日も凜久に勝てそうにない……です……。
「で、なんだっけ?」
背中に腕を回されれば、私にはもう逃げ道はない訳で。
意地悪でどこか熱っぽい視線を送る凜久に……
「え、えっと……」
あおいから聞いた話の内容が、急に分からなくなってしまった。
え~っと、えっと……
「あれ?」
本当になんだっけ――?
「忘れちゃったんだ?」
段々傾いていく視界、部屋の天井が見えれば私の視界は意地悪な凜久の顔でいっぱいになる。
「ちょっと待って……っ!」
今、思い出してるの!
焦る私とは裏腹に、凜久が急接近してきて。
「…んん……っ」
鎖骨の辺りに凜久の唇が触れたと感じた瞬間、ピリッとした電流が走る。
「……あっ、待って…っ…」
そのまま唇を下降させていく凜久に本気で焦り始めた。
「えっとね、部屋に……ひぁっ」
いつの間にかワンピースの下に移動した凜久の手が膨らみをそっと包んで。
「部屋に……なに?」
「ん…っ…やぁ……っ、凜久の、意地悪……」
凜久の指から与えられる弱くて甘い刺激に、やっと繋がりかけた思考が溶かされて。
「瑠璃が悪いんだから……」
困ったような、苦しそうな表情を見せる凜久に心が甘い悲鳴を上げそうになる。