Honey Love



「本当に、待って……!もう少しで…んゃっ……思い…出せ…」

――そうなの。

もうダメ……、頭の中にもやがかかり始めて。

私をとろけさせるこの刺激に、このまま委ねたくなっちゃう……。

もや……白い霧……?


「あ……っ、思い…出した…!」

ブラの中に凜久の指が入る寸前、ギリギリで思い出したんだ。


「部屋に、露天風呂が付いてるのっ!」

「……」

あ、れ―――?

やっと思い出せて、スッキリした私とは逆に不機嫌な顔の凜久。





「え、えと……い…嫌だった?」

不機嫌な理由が分からない私。


だって最近人気を集めてる露天風呂付きの部屋なんだよ?

この前お母さんが見ているテレビでたまたま知ったんだ。

人気の旅館では、1年先まで予約が入っているって……。



あおいの話でも、予約がいっぱいって聞いてて、それでもおじさんが是非って誘ってくれて――…


人気の部屋をふた部屋、とってもらった、って……。



「嬉しいよ?だって瑠璃と一緒にお風呂入れるんだもんね」

「……っ!」

え……っ!

露天風呂ってそういう為にあるの?お風呂を楽しむ為じゃなくて?


い、一緒に入らなきゃ……ダ、


「ダメだよ?」



「……」

まるで私の言葉を先読みするように凜久が遮る。

私、口に出してないのに……。


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