Honey Love
本当に――?
でも、甘くておいしかったしジュースみたいだったし……。
「へへっ、大丈夫だよぉ……」
アタフタしてる凜久がおもしろくて。
それに、体がフワフワしてきて気持ちいい。
「凜久ぅ……」
なんだか、急に凜久に触れてほしくて。
ふたりの間を阻むテーブルを越えるととなりに腰を下ろす。
「る、瑠璃……?」
「凜、久……」
そのまま倒れ込むように、しがみついてしまった。
「ちょ、瑠璃……っ」
何でそんなに慌ててるの?
もっと、もっと……触れてほしいよ。
そんな願いを込めて、凜久を見上げた。
「も、知らないから」
真剣な瞳がキラリと光って。
腰に回された腕に強く引き寄せられるまま、凜久の唇に急接近。
「んっ……」
短く、ついばむようなキスに、体が余計に熱を持て余して。
スルリと浴衣の中に忍び込んだ手を振り切るのが一瞬遅れて。
「……あっ、」
火照った肌の上を滑り落ちていく冷たい指先が気持ちいい。
シュルッと帯を抜き去る音を聞いた途端、
深い睡魔に襲われたんだ。
「おやすみ、瑠璃」
――夜桜を見に行く時間までには起きなきゃダメだよ。
じゃなきゃ……
「襲っちゃうからね」
なんだかとてつもなく危ない言葉が聞こえた気がしたけど。
半分眠りに落ちかけていた私は、ちゃんと理解出来るはずもなく。
重たいまぶたを素直に下ろした。