Honey Love


「ほら、こんなの取っちゃお」

「やっ、ダメ!」

バスタオルを強引に剥ぎ取ろうとする凜久から必死で逃げる私。


だってだって、どうせお風呂から上がったら……


って何私考えてるんだろ……っ。



「はい、捕まえた」

凜久の腕にあえなく確保され。


「も、逃がさないから」

――今夜も、そしてこれからもずっとね。


なんて甘いささやきが耳をくすぐる頃。




「うわ~~ん!ヨウのばかぁ!」

「ったく、飲みすぎなんだよ」


お向かいの部屋のふたり。

甘いムードのカケラもないまま。




「瑠璃、好きだよ」

「わ、私も……大好き」

シュルッと帯が解かれる音が部屋に小さく響けば

続くのは、甘い甘い声。


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