Honey Love
余程恥ずかしいのか、瑠璃の小さな悲鳴で遮られてしまう。
「愛情の裏返しってヤツ?あっ、“好き”の裏返し……?早く気付いて欲しいっていう」
「……」
瑠璃は黙ったまま、僕の背中に回した腕に力を込めた。
「今度は僕の番かな」
「……え、?」
胸に埋まっていた瑠璃がやっと瞳に僕を映した。
「実は僕も消しゴムに瑠璃の名前書いてあるんだ」
「え、本当?」
薄茶色の瞳をまん丸くする瑠璃。
なんだか今さらだけど……
「やっぱり言うの恥ずかしい」
「言って?」
純粋な瑠璃は、どこまでも透明な色をしてて。
僕の言葉の続きを待っている。
それは、ただの好奇心?
それとも――…
「名前を書いたのは、瑠璃よりずっと後だけどね」