Honey Love


瑠璃の甘い声を聞く余裕もなくて



カラダを貫くような、今まで感じたことのない感覚に包まれて。



「凜久……、凜久っ」

まだ目も開かない赤ちゃんのような瑠璃が、両手を宙にさ迷わせて

初めての感覚に戸惑ってしまわないように

迷ってしまわないように……




「――…、瑠璃」

瑠璃の両手が、やがて僕を見つけて首に巻きつくのを感じながら


温かい光を目指すように

ふたり
どこまでも駆け抜けていった。



どうかぴったり重なるココロは
そのままで…―――。


< 81 / 208 >

この作品をシェア

pagetop