Honey Love
ベッドに座った凜久、その開いた足の間に腰を下ろして。
お腹の辺りに腕の感触を感じた瞬間、背中に凜久の温かい体温が広がって。
後ろからギュッと抱きしめられていることに初めて気が付いた。
「いつもは、あんな感じじゃないんだけどな」
空ちゃんのこと?
そうポツリと聞いてみると、
「きっと瑠璃に妬いてるんだよ。空、小さい頃から俺にベッタリだったから」
――将来の夢は?って聞いた時、なんの迷いもなく“凜久のお嫁さん”って答えたからね。
そ、そっかぁ――…。
空ちゃんの、凜久を想うキモチになぜか心がツキンと痛んだ。
私と空ちゃん。
ふたりのキモチを天秤にかけた時どちらの方がより重いのだろう?
メーターぎりぎりまで、針は回るのかな?
それとも、重すぎて振り切っちゃうのかな?
少なくとも空ちゃんは、私の知らない凜久を知ってる。
今まで恋のライバルなんて、いたことなかった。
……ううん、正面から向き合ったことがなかったんだ。
ライバルの存在にビクビクして。堂々と“戦う”という選択肢を避けて通って来たから。