Honey Love
「瑠璃、パンツ見えてる」
「え?」
「だから、……パンツ」
「きゃああっ!」
「……」
試合開始、数秒後――空ちゃんに少し遅れを取った気がした。
「……」
「……」
隣からチクチクと刺さる視線を感じながら、窓の外を流れる景色をじっと見つめる。
「空ちゃん良かったわね?新しい友達が出来て」
そう嬉しそうに空ちゃんに話してるのは、運転席に座っている凜久のおばさん。
「うんっ!空、瑠璃お姉ちゃん、好き!」
高い声は、崖の上の……ある映画のワンシーンを思い出させる。
チクッと刺さる視線はどこへやら……大きな瞳をアーモンド型に細めて、私を映す。