夏と秋の間で・乙


「えぇ!何で?」



「いや、そこまで驚かなくても・・・。実はなのはには黙っていたけどさ・・・ずっと憧れていたって言うか・・・片思いだったんだよね・・・・。」



 初耳だった。



 麻美は中学校に入ってからの友達で、このたび同じ高校に入学することが決まっていた大の親友だったのだ。



「そう・・・なんだ・・・。」



 そんな言葉以外どんな言葉が返せただろう。



 確かに中学最後の思い出として憧れの男性に告白するというのは、もはや伝統行事と言っても良いほどの、儀式だ。



 だけど・・・それが、よりにもよって歩と麻美の組み合わせはないと思ったのに・・・。



「それで、一応、なのはにも聞いてみようと思って・・・。」



 なんで、私に聞くのやら?



「告白するだけなら自由じゃない?」



「何、その言い方?まるで私がフラれるみたいじゃない?」



「成就すると思っているのかしら?」



「この野郎!」



 このときは、笑い話で済ましたが、私の言葉は本気だった。



 本気で麻美はフラれてしまえと思っていたのだ・・・。



 友人として最低だ。



 だから・・・きっと、この後に起こったコトは全て私に対しての天罰だったのだろう・・・。



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