夏と秋の間で・乙


「お前、良い加減したらどうだ?」



 そんなことを歩に注意を受けたのは、私が4人目の彼氏と別れてすぐのことだった。



 歩の部屋。



 幼い頃から二人の溜まり場だった場所は、たとえ二人の立場が変わろうとも、そんなに簡単には変わらない。



「何の話?」



 言われなくても心当たりぐらい無数にある。



「彼氏をとっかえひっかえ・・・。お前最近周りになんて言われているか、知っているか?」



 当然。



「男好きなのは・・・でしょ?」



「分かってるなら、辞めろよ。」



 やめられるなら、とっくにやめているよ・・・。



「まあ・・・そのうちね・・・。」



 そんな言葉でまとめるしかなかった。




 もちろん、やめなければと思う。



 早く良い人を見つけれなければと思う。



 だけど・・・・・・・・・・



 ・・・・・・なんで、分かっていながら私は、こいつの部屋にいるのだろう・・・・・・。


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