夏と秋の間で・乙
「はぁ?早川さんまで?」
「まぁ、色々あったんだよ・・・。」
そんな言葉でしか返しようがなかった。
自分だって、何で早川さんまで出てくるのかが不思議なぐらいなんだ。
だいたい、出会って三ヶ月しかたってない相手に好きもないもないだろうに・・・。
「だって・・・お前、大場さんは?」
あぁ・・・そういえば、彼女もいたなぁ・・・。
「いや・・・なんか、もう彼女はどうでも良いや。」
最初は同じクラスになれたことが嬉しかったし、彼女が先輩と付き合ってると知ったときは、すごいショックも受けたが、今さらという感じだった。
おそらく、彼女に対する自分の気持ちなんてその程度のものだったのだろう。
それで、好きだの何だと言っていた自分が今ではアホらしい・・・。
「あっそ・・・。」
速人はそれだけ口にすると、お好み焼きにソースをかけて一口。
青海苔の後にソースをかけるのは、速人流の美味しいお好み焼きの食べ方らしいのだが、ソースに青海苔が入るのは、いただけない。
「それで、もしかしてお前は、どっちを選べば良いかとか、そういうことを俺に聞こうと思って、呼んだんじゃあるまいな?」
まさか・・・。