夏と秋の間で・乙
「そこまで俺だって馬鹿じゃないよ。」
そんなことしたら、最低以外の何者でもない。
自分が誰を選び誰と付き合うのか、もしくは誰も選ばず付き合わないのか。
それを決めるのは自分自身でしかない。
「だったら、なんのようだよ?」
「相談しちゃいけないのかよ?」
だけど、友人に相談するぐらいは許されることだと思うが・・・。
「相談されたところで、答えられるか?」
まったくだ・・・。
「友達甲斐のないヤツめ・・・。」
「そんなことで、友達の価値をはかるな・・・大体、お前は『告白のようなもの』を受けただけで、別に告白されたわけじゃないんだろう?」
確かに・・・・
この違いは似ているようで、多いに違う。
こいつ・・・こんな態度とっていながら、しっかりと人の話を聞いてやがる。
まぁ、そんなコトは、だいぶ前から分かっていたことだが・・・。
「そうだけど・・・。」
「だったら、深く考えるな自信家め。」
そんな言葉を言われたら、他に返しようがない。
「分かったよ・・・。相談した俺が悪かった。」
なんだか、速人の言い草がムカついて、望巳はしばらく吸っていなかったタバコを取り出し、一息つく。
上っていくのは、お好み焼きの煙か、はたまた自分の口から出る紫煙の方か・・・。
「だがな・・・俺は思うけど、告白されたから好きになるって言うのは、違うと思うぞ・・・。」
それは、友人からのもっとも思い忠告。
「そんなこと・・・。」
言われなくても分かってる・・・。
だから・・・・
・・・・・・・・・・・・・俺は・・・・・・・・。