夏と秋の間で・乙
「手伝え・・・って、何をすれば良いんだよ?」
そうなってくると、主な部活動に所属していない望巳は意外に暇な日々が続くのかと思われるが、意外に望巳の人望は厚く、ここ一週間、色んな部活動の手伝いに走り回る日々が続いていた。
ちなみに、今日話しかけてきた相手は我が友人、小林速人である。
「試作用カレーのために必要なスパイス集め。」
「それ・・・なんで俺がやるんだ?」
そんな重要な仕事、他の部員にやらせろよ・・・。
「良いじゃねぇか・・・お前は、もう半分バスケ部のようなモンなんだから、おまけにお前には立派な足があるわけだし。」
それが、一番の目的だろう。
だいたい、現チャリの二人乗りは禁止されていることを、こいつは知らんのか?
「バスケなんて、一度もしたことねぇよ。」
「夏休みにウチの可愛い一年生をボコボコにしたのは、どこのどいつだ?」
確かに、夏休み中に一度だけ速人に呼び出されて、1年生と一緒に一度だけ3対3をやった。
勝てたのは、偶然
と、言うより・・・。
「あんなの、半分以上お前と富所先輩の力だろうに。」
「関係ないって・・・。お前、今からでも遅くない、バスケ部来いよ。」
いけるか!