夏と秋の間で・乙
「知ってるよ・・・・。大場さんでしょ?良かったね、同じクラスになれて・・・。」



「まぁ、まだ同じクラスになっただけどな。」



「まったく、あんなガリベン女のどこがいいんだか?」



 亜紀の口から紫煙と共にため息が漏れた。



 俺も最初はそう思っていたよ・・・・。



「女に、男の気持ちはわからねぇよ。」



「そんなこと当たり前だ・・・。望巳だって、私の気持ちを分からないくせによく言うよ。」



 そりゃ、男同士が絡むようなアニメが好きな女の気持ちなんて分かるはずもない。



「ソレはそうだけどさ・・・・。」



 望巳は一度あげた顔を落として、再び雑誌の記事に眼を通す。そんな姿勢のまま、タバコを大きく一息ついたところで、ふと思い出さられる春休みに前に耳に入ってきた噂。




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