夏と秋の間で・乙


「ハイ?そんなこと、女性がいるところで話さないでよ。」



「いや、一応、望巳の家に行くわけだし、多少興味はあるでしょ?」



 速人も即座に話をあわせてくれる。



 こういうとき、友人とはありがたいと思う。



「まったく・・・・・・。二人ともいい加減にしなよ。それより、昨日のテレビ見た?」



 そんな、下らない話をしながら、三人の足は着実に進む。



 家に着くと勝手知ったるなんとやらで、焼きそばを作り出す亜紀。



 さすがに、初めての台所を他人に任せきりと言うわけにも行かず、望巳も手伝いと言う形で、同じ台所に立つ。



「こうしてみると、夫婦みたいだな・・・。」



「うるせぇ、速人、お前も手伝え。」



「俺はカレー屋だ。」



 ・・・・だから、どうした?



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