夏と秋の間で・乙
 今日は、春先特有の強風もなく穏やかないい天気だ。



 全校舎の影となっているため、ここではたいした緑も日の光も浴びることはできず、あたり一面に散らばった空き缶や、タバコの吸殻などのゴミが目立つが、そんな場所にいるにも関わらず、ふとすれば眠くなってしまう・・・。



「・・・・・なぁ、お前が好きな男って、どんなヤツなの?」



 唐突に聞いてみたくなった。



 この質問をするのは、通算二回目。一度目は、いつだったかもう思い出せないぐらい昔の話だ。



「『秘密だ』って言ったはずだけど?」



「俺の知っているやつか?」



「望巳の人脈は広いからね・・・。何、気になるの?」



「そりゃ、早川先輩をふるようなヤツが惚れる男だからな・・・。」



 深い意味はない。タダの興味本位。


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