夏と秋の間で・乙
早川なのは
亜紀としっかりと区別をつけたコトは、必ずしも早川さんと一緒になることを選んだということにはつながらない。
これが、望巳が選んだ答え。
これが、自分の進むべき道。
「お帰り、早川さん。」
学園祭が終わった21日の夕方。
自分は、家の前で早川さんを待っていた。
よく考えたら、自分から彼女を待ったのは、初めてのことだ。
「ただいま、望巳くん。」
それに対して緊張した声を上げる早川さん。
自分でも良く分かっているのだろう。
俺たちの祭は・・・コレから始まる・・・。
「これから、飯でも食いに行かないか?」
さすがに、家の前ではロマンがないし、味もない。
場所は移動すべきだった。