夏と秋の間で・乙


「・・・・うん。」



 とは言え、この時間で、望巳たち高校生が行けるような店は限られており、色々考えた末に彼らが入ったのは、駅前のファミリーレストランだった。



 二人が頼んだのは、ポテトフライと、シーザーサラダ。



 学園祭でたくさん物を食べたのがバレバレのメニューだった。



「昨日さ・・・サンマとはしっかりと区別をつけてきた。」



 まずは、そこから話すべきだと思った。



「え?」



「やっぱり、このままじゃいけないだろう・・・どう考えても・・・。」



 だから、答えを出そうと思う。



 早川さん・・・。



 俺は・・・サンマを選ばなかった。



「それは、どういう意味かな?」



「早川さんさ・・・悪いけど、俺は早川さんとも付き合えないよ。」



 そして・・・・・・・・・・・・・君も選ばない・・・・・・・・・・。



「そっか・・・・・・・・。」



 それを聴いた瞬間、早川さんの顔が一気に曇ったのが分かった。



 目が潤んできているのが分かる。



 愛情なんてはかれるものではないが、きっと、早川さんはそこまで俺のことが好きだったのだろう・・・。



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