夏と秋の間で・乙


「だけどさ・・・友達にはなれないかな?」



「え?」



「なんかさ・・・もう、ワケが分からなくてさ・・・。とりあえずはじめるなら友達からだろう?やっぱり・・・。」



 それが、答え。



 それが、望巳が出せる精一杯の解答。



 その結果、やっぱりだめかもしれないし、亜紀のように友達で終わるのかもしれない。



 そんなのは、分からない。



 だけど、とりあえず、早川さんとは友達にはなれる自信はあった。



 散々考えた結果がコレでは、あまりにお粗末だとは思う。



 男として、明確な答えを出すべきだと思う。



 だけど・・・



 これが、最良。



 これが、最善の選択肢なのだ。



 早川さん・・・君と俺は出会って間もなく、お互いに何も知らない。



 俺は、早川さんのことを好きではないし、君が俺のことを好きだという気持ちも、よく分からない。



 だけど・・・・・・・・・。



 いや、だからこそ・・・お互いにコレからをよく知っておくべきなのではないかな。



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