夏と秋の間で・乙
「早月さんって、なんていうか男を調子に乗らせるのが上手だね?」
正直な感想。
「悪女ってこと?」
「まぁ・・・そういうことかな?」
「ありがとう。そう言われるの、嫌いじゃないよ。」
早月さんはその可愛らしい笑みを浮かべると、これ以上一緒にいてからかわれるのはイヤだからと、先に行ってしまった。
ここまで一緒にいて、そこで別れるか・・・とも思ったが、それこそが彼女の手なのだろうと、考えるとどこか納得できた。
もちろん、それが計算なのか、天然なのかまでは自分が分かるはずもないのだが・・・。
「怖い女・・・」
それが、お隣さんだと考えると、少し憂鬱になる望巳であった。