夏と秋の間で・乙

「お前さ・・・女を好きになったことあるのか?」



 今度選ぶのは、メガネのみつ編みでセーラー服を着ている、色物キャラ。



 どこか、大場さんに似ている。



 どうして、こんな人間が廃墟を舞台に、ストリートファイトをするのか・・・。



 深く考えるのはやめよう・・・。



「そりゃあるよ。俺だって、健全な高校男子なんだから・・・。」



 速人の、その言葉はちょっと意外だった。



 正直な話、速人が女性を好きになるとは思えなかったからだ。



「なら、分かるだろう・・・。あきらめろって言われて、あきらめられるんなら、誰も苦労しねぇよ。」



「そうかねぇ~?・・・お前って意外に我が侭だよな・・・。」



「は?どういうことだよ?」



 メガネの少女でハイキック。



 真っ赤なパンツが見えるのは一種のサービスなのだろうが、大場さんに似ていると思うと、なんとなく罪悪感が残る技だ。





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