夏と秋の間で・乙

 それから、何日かの朝と夜を向かえ、ゴールデンウィークがやってきた。



 元々、春には閑古鳥がなく映画業界が、その一週間だけは大量の売り上げと客が大幅に増えることからつけられた造語であり、それゆえ国営放送のNHKでは未だにゴールデンウィークという名称を使わず、「春の大型連休」と呼んでいるらしいのだが、実際にその恩恵を受ける身である学生からしてみれば、名前なんて、どっちであろうとかまわない。



 そんなゴールデンウィーク中にある憲法記念日・・・5月3日。
 


 その日は望巳の17回目の誕生日であった。



 だいたいティーンエイジャーになると、誕生日毎に誰かに祝ってほしいという感覚が薄れ、望巳自身今日が誕生日であることを忘れていたほどだ。



 思い出したのは、昼ごろ来た亜紀から来たメールによって。



「あ、そういえば今日、誕生日だっけな・・・。」



 自分が誕生日だった事実より、亜紀からメールが来たことの方が意外だった・・・。



 サンマは、ゴールデンウィークは家族旅行とイベントの用意で奔走するとか言っていたからだ・・・。



(律儀なヤツ。)



 一応、律儀にお礼のメールを送ってから、散歩に出かける。



 正直、今日誕生日という事実より、また1つ歳をとったことに対するショックの方が大きい。



 後、どれほど自分は『子供』という立場を守っていられるのだろう・・・・。




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