夏と秋の間で・乙

 ゴールデンウィークがあけた。



 誕生日を迎えてからの残り2連休。望巳は何をしたのか、よく覚えていない。



 二日もたてば元気になると思ったが、学校に行って大場さんの顔を見た瞬間、自分がどれだけ傷ついていたか再確認させる羽目になり、結局一時間目を出てから残りの授業を全てサボることにした。



「よぉ。」



 昼休み。いつもの、喫煙所。



 声をかけてきたのは亜紀だった。



「なんだよ、サンマ?」



 正直こんな時は誰にも会いたくない・・・・。



「速人が心配していたよ。」



 そういえば、昨日あいつと居酒屋に行って、色々話したんだっけ?



 酒の力とは恐ろしい・・・。



「ほっとけ。」



「まぁまぁ・・・・・・。」



 亜紀は、スカートのポケットをまさぐると、



「はいよ、一本あげる。」



 タバコを取り出し、望巳に差し出した。



「俺、メンソール嫌いなんだけど・・・。」



 等と言いながら、しっかり亜紀からタバコを受け取ると、火をもらう。



 一息。

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