夏と秋の間で・乙


「俺、昔、サンマに告白されたことがあるんだよ。」



 速人の突然の暴露



「・・・・・・・・・・・・は?」



 思わず、変な言葉が出てきた。



「中学校の終わりごろだけどな・・・・。でも、その頃のサンマって今みたいに可愛げもなかったし、正直、気持ち悪かっただろう? だから、断ったんだよ。」



「そりゃ、あんな女だったしな・・・。」



 昔を思い出しながらタバコを一息。



「でもなぁ・・・・高校生になってあんなに変わるなんて・・・。」



「何?お前、もしかして後悔してるの?」



「まあな。少しはな・・・。」



 正直、意外だった。



 でも、5年以上友人を続けているから分かることもある。



 速人は・・・・少しずつではあるが、本気で亜紀を好きになっている。


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