夏と秋の間で・乙


「・・・・・・・そうか。」



 望巳は、タバコを大きく吸うと、



「それじゃあ、お前なのかもな・・・・あいつが惚れている男って・・・・。」



 紫煙と共に、吐き出した。



「まさか?俺は、一度あいつをふっているんだぞ。そんなヤツのことをいつまでも好きでいるもんかよ?」



 確かに・・・・。



 ・・・・・・・でも俺は、彼氏がいると分かった今でも大場さんのことが好きだ。



「わからねぇもんだよ・・・。人の心なんて・・・・。」



 心から出た言葉だった。



「何、年寄りみたいなコト言ってんだ?」



「一応、今はお前より年上だしな。」



 速人の誕生日は10月。



 あと5ヶ月の間は望巳は速人の『年上』となる。



「さいですか・・・・。」



 その後、望巳は速人と中学校の女生徒のことについて語り合い、結局二人して午後の授業をサボって、ゲームセンターに行くことにした。



 ゴールデンウィーク明け、久久の対戦。



 結局、速人との対決は、3勝5敗という、いささか、不本意の結果に終わった・・・。




< 45 / 147 >

この作品をシェア

pagetop