夏と秋の間で・乙
「・・・・・・・そうか。」
望巳は、タバコを大きく吸うと、
「それじゃあ、お前なのかもな・・・・あいつが惚れている男って・・・・。」
紫煙と共に、吐き出した。
「まさか?俺は、一度あいつをふっているんだぞ。そんなヤツのことをいつまでも好きでいるもんかよ?」
確かに・・・・。
・・・・・・・でも俺は、彼氏がいると分かった今でも大場さんのことが好きだ。
「わからねぇもんだよ・・・。人の心なんて・・・・。」
心から出た言葉だった。
「何、年寄りみたいなコト言ってんだ?」
「一応、今はお前より年上だしな。」
速人の誕生日は10月。
あと5ヶ月の間は望巳は速人の『年上』となる。
「さいですか・・・・。」
その後、望巳は速人と中学校の女生徒のことについて語り合い、結局二人して午後の授業をサボって、ゲームセンターに行くことにした。
ゴールデンウィーク明け、久久の対戦。
結局、速人との対決は、3勝5敗という、いささか、不本意の結果に終わった・・・。