夏と秋の間で・乙
早川先輩
いくら、失恋の痛手があるといっても毎日学校をサボるわけには行かない。
望巳は次の日から何事もなかったかのように、平凡な日々をすごしていた。
そんな中、五月も中旬になりかかった頃の水曜日。
それは、突然の出来事だった。
「ん?誰の車だ?」
朝、学校に行こうと思い、バイクを押しながら家を出ると、家の近くで大きな車が止まっていたのだ。
この辺では見かけたことのない車。
日産のスカイライン。
中古でも1000万はくだらないのではないといわれる高級車だ。
デザインからして、新しい。
一体、どこの金持ちが・・・。