夏と秋の間で・乙

梅雨



 次の日から天気予報が「梅雨入り」の知らせを告げ、それを証明するかのように、一週間、雨の日が続いた。



 そんな中、カッパを着てバイク通学をしなくちゃいけない望巳を横目に、毎日早月さんを迎えに着ているスカイラインが、腹が立った。



 勝手な憶測だけど、彼女たちはおそらく今の自分が抱えている悩みの半分も持ってないのだろうな・・・。



 しかし、そんなある日。



「ん?」



 望巳が速人とゲーセンで寄り道したあとに帰宅すると、家の前に一人の女性が待っているのが見えた。




 いや、正確には彼女の家は自分の家の隣なのだから、彼女は自分の家の前で誰かを待っているだけだろう。



 うん。そうに違いない。



 勝手に判断して、無視してバイクを家の駐輪場に入れようとすると・・・。



「ちょっと、望巳くん。無視しないでよ。」



 思いっきり声をかけられた。




 って・・・お前に、望巳と呼ばれる筋合いはないぞ・・・。


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