夏と秋の間で・乙


「あ~・・・うん。そうだね。」



 早川さんは、大きく一息つくと・・・。



「あのさ・・・悪いんだけど・・・今度の日曜日デートしてくれない。」




 あまりに意外すぎる本題だった。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?



「早川さん・・・彼氏いるでしょ?」




 あのスカイラインの男はどうしたよ?




「あ・・・あれ?もう別れちゃった・・・。」




 え?もう?



「はやくないか?」



「いや・・・まぁ、それには色々と事情がありまして・・・。他に頼れる男子もいないしさぁ・・・ここはお隣のよしみと言うことで、お願いしたいのです。」



 目の前に両手を重ねて、拝むようにこちらを見つめる早川さん。



「いや、事情がさっぱり分からないのですが?」



 そもそも何で日曜日に俺と早川さんがデートする必要があるのだ。



「う~んと・・・まぁ、それは望巳くんがOKしてくれれば説明するよ。」



 脅迫ですか・・・。



 とりあえず、取って食われる心配はないだろう。



 しかし、遠慮のない女性のいうコトは正直怖いというのは本音だった。


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