夏と秋の間で・乙


「なんだ、そのあいまいな質問は?」



「いや・・・なんか、気になったからさ・・・。」



「別に、お前が気にすることでもないだろう。」



 ・・・というより、亜紀に話せるような進展具合は何もない。



 もし、それでもあるとすれば、それは大場さんではなく、早川さんの方。



 だけど、そこまで話す必要はないだろう。


「ソレもそうだね・・・。」



 そう言う亜紀の声のトーンが落ちたのが分かったのは、それなりに長い付き合いだったから。


 あれ?俺、今なにか悪いことでも言っただろうか・・・?



「・・・・・・別に、何もないよ。」



 しかないから、ぶっきらぼうに声を上げてみる。



 俺は小学生か・・・。



「え?」



「だから、驚くぐらい何もないってコトだよ。空は相変わらず青いし、俺の成績は一向に上がらないし、大場さんとの仲もまったく進展なし。」



 もう一個、つけくわえるなら、新しい出会いも特になしと行ったところだ。



「望巳の成績なんて、これ以上下がりようないじゃん?」



「うるせぇ。コレでも、中の上だ。」



「えばれことではないと思う。」



 確かに・・・。



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