夏と秋の間で・乙
「おや・・・もしかして、望巳くんは絶叫系は苦手ですか?」
「いや、絶叫系も何も遊園地初めてだからな・・・。」
正直、苦手かどうかも分からない。
まぁ、だけど実際に見るとテレビで見るより全然大きく、正直アレに乗るのかと思うと、メチャクチャ怖いのだが・・・。
「だったら、まずは遊園地初級編ということで、あそこからですね。」
自分の手を取って楽しそうにジェットコースターに向かうサンマ。
だが、今さら怖いと言えるはずもなく、男としての見得から何も言えない自分。
結果・・・・・・・。
「大丈夫?」
亜紀が自分の顔を心配そうに覗き込む。
傍らには、顔を真っ青にして、頭を冷やす自分。
今までテレビで騒ぐタレントって絶対オーバーリアクションだろうとか思っていたけど、今度から考え方をあらためよう・・・。
「あぁ、大丈夫だ。あと3回も乗れば慣れるから・・・。」
何とか、頭を振って元に戻す。
元から三半規管は弱いほうではない。
初めての体験に身体が付いてこれなかったが、あと何回も体験すれば・・・。