夏と秋の間で・乙


「おや・・・もしかして、望巳くんは絶叫系は苦手ですか?」



「いや、絶叫系も何も遊園地初めてだからな・・・。」



 正直、苦手かどうかも分からない。



 まぁ、だけど実際に見るとテレビで見るより全然大きく、正直アレに乗るのかと思うと、メチャクチャ怖いのだが・・・。



「だったら、まずは遊園地初級編ということで、あそこからですね。」



 自分の手を取って楽しそうにジェットコースターに向かうサンマ。



 だが、今さら怖いと言えるはずもなく、男としての見得から何も言えない自分。



 結果・・・・・・・。



「大丈夫?」



 亜紀が自分の顔を心配そうに覗き込む。



 傍らには、顔を真っ青にして、頭を冷やす自分。



 今までテレビで騒ぐタレントって絶対オーバーリアクションだろうとか思っていたけど、今度から考え方をあらためよう・・・。



「あぁ、大丈夫だ。あと3回も乗れば慣れるから・・・。」



 何とか、頭を振って元に戻す。



 元から三半規管は弱いほうではない。



 初めての体験に身体が付いてこれなかったが、あと何回も体験すれば・・・。



< 89 / 147 >

この作品をシェア

pagetop