呪えや呪え
あはあは
あたしにとっての世界は舞台だ。


一方、あたしは世間を上手く渡っていけるような女子高生を演じる、ただの役者。

所詮、世界は嘘と偽善で塗り固めた偽りの場所でしかないのだろう。


そして今日もあたしは世渡り上手な女子高生柚を演じていく…。




(あー。つまんない)

あたしは1人じゃなにもできないくせに、やけにしゃしゃってるバカ女と歩いてた。

(あんたといると、都合がいいから付きやってやってるんだから、感謝しなさいよね…はあ、退屈)


「聞いて昨日パパが、うちにアクセサリーなんか買ってきてさー。マジウケねぇ?」

「あはは。ウケるー」

(…全然ウケねぇよ)


「じゃ、柚ばいばーい」

「うんばいばーい」


あたしは作っていた笑顔をやっと崩して溜め息をついた。

(あー。マジ疲れるわー。つかてめぇ香水臭いんだよ。男にモテたいのバレバレー)




あたしは偽る。

本当の自分を隠し、理想の自分を演じ続けるのだ。



このモノクロの世界で。
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