王子様と秘密の女の子
―――理事長室
コンコンッ
失礼しますっと言ってお兄ちゃんが先に入り、
私はお兄ちゃんの背中に隠れて小さく失礼しますっと言って恐る恐る入った
部屋の中を除くとそこには見知った顔があった
『おじさん?』
そこにいたのは柚菜の父の弟、光弘だった
「お久しぶりです、おじさん」
「二人とも元気そうでなによりだ。柚菜はこの間は大変だったね。体の方はもう大丈夫なのかな?」
『はい、ご心配おかけました。私、この学園の理事長がおじさんだったなんて知らなかった』
おじさんはクスッと笑い
「私も黙っていたからね、もっと早くに会いたかったんだけど、なかなか時間が取れなくて。立ち話もなんだからソファーに座ろうか」
おじさんに促されて豪華なソファーに座った
「今回の事件は兄から先に電話があって、こちら側で上手く対処しといたから心配はいらないよ。で、こっちがその書類でこれは柚菜の宿題」