王子様と秘密の女の子
待ち合わせ場所は時計台前
家族連れやカップルで賑わっていた
『由来まだ来てないないな』
「柚菜暑くないか?」
『平気だよ!』
何故か周りの人達(男女)が私達をジロジロと見ている
『やっぱりお兄ちゃんは人気ものだね!沢山の人が見てるもん!でもなんで男の人まで見てるんだろぅ?』
翔は視線の殆どが柚菜に向けられていることに気づいていた
メイクをしていないのに、きめの細かい透き通るような白い肌、暑さによって色づく頬、大きな二重、長い睫毛、プルプルの唇、色っぽいうなじ、全てが完璧な容姿に振り向かない人はいない
だが当の本人はというと
『わかった!お兄ちゃんは男の人まで虜にしちゃったんだ』
笑顔でエヘヘッと言うと周りの人達は顔を真っ赤にさせ、鼻血をだして倒れる人までいた
翔は柚菜の可愛い笑顔を他の人に見せまいと辺りを睨みつけチッと言った
「柚菜ぁ〜」
『あっ由来!』
「あっじゃないわよ!こんにちは、翔さん」
「こんにちは、由来ちゃん」
『もぅ、時計台前に美少女が現れたって凄い噂になっていたから心配したわよ』