俺のためにベルは鳴る
今にも雪が降り出しそうなクリスマスイブの今日。



俺、藤井 晴矢(フジイ セイヤ)は悩んでいた。



悩む?



いや、



“悩む”のは、今日この日まで悩んで悩んで悩みまくった。



そりゃもう、髪の毛が抜けてハゲになるんじゃないかってぐらい悩んだ。



そして悩みに悩んだ末…



クリスマスイブであり、彼女の誕生日である今日、



『幼なじみのマリアにコクる』



と、親友の篤志に宣言した。



でも、



昨日までの俺はどこへやら…



「はぁ…」



目の前には俺のヘタレさに呆れたのか、



大きなため息をつきながらヤレヤレとばかりに首を振る親友。



そう…



あんなに声高々に“コクる”と宣言したものの、



結局、土壇場になって尻込みしてしまった俺は、



俺の思い出がいっぱい詰まったこの地、



“石山神社”



通称“石投げ神社”に篤志を呼び出し、



今さらながらウジウジしていたのである。

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