俺のためにベルは鳴る
「えと…今のは…」



でも、言い訳をしようにも時すでに遅し。



「へぇ~言うねぇ。ヘタレくんのくせに。…ってか、そう思うなら、ちゃっちゃと投げてコクって来いっ!!」



「っ!!」



気合い注入とばかりに、ポンッと胸を軽く殴ってきた篤志は、



「あっ…と、コレ、落としてんぞ。」



「あ?」



落としていた小石を屈んで拾い上げると、



「ホレっ!!」



「おっ!!…っと、あっぶねぇっ!!投げんならちゃんと投げろっ!!」



手渡しすりゃいいものを、わざわざ少し距離をあけて、ポンッと投げてきて…



「だってワザとだもんっ♪」



「“だもん”とか…うわっ!!マジキモッ…」



「黙れ。ってか、投げんなら、ちゃっちゃと投げろ。……ここで見ててやっから。」



「……あぁ。」



やれやれとばかりにトンッと鳥居にもたれると、返事する俺を見ながらフッと小さく笑みを浮かべた。

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