俺のためにベルは鳴る
「来ちゃった。」



「うん。」



目の前には、鼻と頬を真っ赤に染めながらもニッコリと微笑むマリア。



「邪魔…だった?」



「ううん。」



その、小首を傾げるような仕草が可愛くて…



「よかった。」



その、少しはにかんだ笑顔が可愛くて…



「…わぁ!!晴矢、顔、すっごく冷たくなってる。大丈夫?」



俺の頬を挟む、その、白くてちっこい手がめちゃめちゃ暖かくて…



「マリアァ!!」



「キャッ!!」



俺は、俺より頭一個分ぐらい小さいマリアをギュッと抱きしめると、



少し色素の薄いフワフワと柔らかい髪に顔を埋めた。

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