タレントアビリティ
「……あ」

 時間割の1番上に、「英語センター200問テスト!」とあった。完全に失念していた。
 引き攣った表情で万と顔を合わせる。彼もまたひどい表情をしているようで、頭を抱えて自分の席に向かう。何もしていない事は明らかだった。

「さて、と……」

 テスト開始まで25分。範囲は60ページ。残された手段は、ただ1つ。

「勘でやるか」

 それしかない。自分に勘があるか分からないけど、とりあえず勘でやってやろう。ある意味、言い訳だった。






 けれど勘だって才能。翌日返却されたテスト用紙を見て、つくづく思い知らされた。
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