タレントアビリティ
京都府某所、赤羽出版。翌日添は能恵に連れられ、そういう場所の前にいた。能恵は相変わらずの白いワンピース。添は長袖のワイシャツにネクタイという姿。この光景はどちらが年上かを間違って解釈するには簡単だと、そう思えた。
ガラス張りの自動ドアを抜ける。広いロビーの壁には様々なポスターがあり、ウインドノベルを筆頭とした有名な雑誌のものが並ぶ。出版社に来たという実感が沸いてきた。
「いらっしゃいましー」
「どーも、純白です。赤羽さんに呼ばれて来たんですが、社長さんは?」
「あー、あなたが純白さんですね。社長は4階の社長室にいますから、はい、お通り下さいますようにと」
「どもー。あと、こっちの人は付添人だから、気になさらず」
「タマゴです?」
「さーねぇ。そえー、いくわよー」
ポスターに見とれている添を能恵はずるずると引っ張っていく。「Staff Only」と刻まれた扉の向こうへ入る緊張感と高揚感が何と無く心地いい。
隣の能恵はやたらと笑顔だった。スキップでエレベーターへと向かい、そして鼻唄混じりでボタンを押す。
「誰に会うんですか?」
「赤羽さん。この出版社をここまで引っ張り上げた社長さんから、今日はちょっと頼まれ事があってね」
「……相変わらずの交遊範囲ですね」
「かなちゃん元気してるといっけどなー」
「かなちゃん?」
「名前よ名前。赤羽要」
「かなめさんですか……。この会社の社長って、きっと凄い人でしょうね」
ガラス張りの自動ドアを抜ける。広いロビーの壁には様々なポスターがあり、ウインドノベルを筆頭とした有名な雑誌のものが並ぶ。出版社に来たという実感が沸いてきた。
「いらっしゃいましー」
「どーも、純白です。赤羽さんに呼ばれて来たんですが、社長さんは?」
「あー、あなたが純白さんですね。社長は4階の社長室にいますから、はい、お通り下さいますようにと」
「どもー。あと、こっちの人は付添人だから、気になさらず」
「タマゴです?」
「さーねぇ。そえー、いくわよー」
ポスターに見とれている添を能恵はずるずると引っ張っていく。「Staff Only」と刻まれた扉の向こうへ入る緊張感と高揚感が何と無く心地いい。
隣の能恵はやたらと笑顔だった。スキップでエレベーターへと向かい、そして鼻唄混じりでボタンを押す。
「誰に会うんですか?」
「赤羽さん。この出版社をここまで引っ張り上げた社長さんから、今日はちょっと頼まれ事があってね」
「……相変わらずの交遊範囲ですね」
「かなちゃん元気してるといっけどなー」
「かなちゃん?」
「名前よ名前。赤羽要」
「かなめさんですか……。この会社の社長って、きっと凄い人でしょうね」