タレントアビリティ
ご飯粒を指で取って口に入れながら尋ねる能恵。添はしかし、そんな彼女の質問に即答出来た。
「分かりません」
「せいかーい! そえとか、よろず君とかがそう簡単に分かるような理由なんかじゃあないの」
「……答えは?」
「学校を選んだのは、風音ちゃんが学校を選んだから」
「訳が分からん……」
「いやいやいやいや。これはフツーに分かるはずなんだけどね? 風音ちゃんが学校を選んだんだから、私も学校を選んだ。そうね、ベストポジション、って事かしら……」
その言葉で添の心に何かが落ちた。短い言葉で納得させるなんて、さすがというか何と言うか。
「ステージ?」
「うん、それせーかい。常日頃演奏している場所で1番の演奏をすると、心にストンと落ちる。その落ちたものは、何かしらその人に大きなきっかけを与えるのよ。あと、わざわざ鉄砲使ったりしたのは、まあ、吊り橋効果みたいな? よくわかんないけど」
「……適当ですね」
「適当なんかじゃないよ。ステージに立つ前って緊張するでしょ? 緊張したら心臓バクバクでしょ?」
箸をくるくる回しながら得意げに言う能恵。こんなに簡単な原理を、あたかも大規模に行った能恵の実力というか無茶というか。とにかく、強烈だった。
「でも、プール爆破は……」
「夏服の生地は薄くて、濡れたらぺったり張り付きます。当然そえとよろず君が風音ちゃんのそんな状況を見れば、えろっちい年頃なんでチラ見したりガン見したりと、いやがおうでも視線に曝されるでしょ?」
「……なるほどね」
「んでもってさらに、ぺったり張り付いた服は自分の心臓の鼓動をはっきり示す。まー私は胸あんまりおっきくないから全然分からないんですけどっ!」
ガッ! と箸をどんぶりに突き立てる能恵。やはり嫉妬していたのか羨ましいと思っていたのか。幼児体型な能恵だから仕方ないといえば仕方ないのだけど。
「分かりません」
「せいかーい! そえとか、よろず君とかがそう簡単に分かるような理由なんかじゃあないの」
「……答えは?」
「学校を選んだのは、風音ちゃんが学校を選んだから」
「訳が分からん……」
「いやいやいやいや。これはフツーに分かるはずなんだけどね? 風音ちゃんが学校を選んだんだから、私も学校を選んだ。そうね、ベストポジション、って事かしら……」
その言葉で添の心に何かが落ちた。短い言葉で納得させるなんて、さすがというか何と言うか。
「ステージ?」
「うん、それせーかい。常日頃演奏している場所で1番の演奏をすると、心にストンと落ちる。その落ちたものは、何かしらその人に大きなきっかけを与えるのよ。あと、わざわざ鉄砲使ったりしたのは、まあ、吊り橋効果みたいな? よくわかんないけど」
「……適当ですね」
「適当なんかじゃないよ。ステージに立つ前って緊張するでしょ? 緊張したら心臓バクバクでしょ?」
箸をくるくる回しながら得意げに言う能恵。こんなに簡単な原理を、あたかも大規模に行った能恵の実力というか無茶というか。とにかく、強烈だった。
「でも、プール爆破は……」
「夏服の生地は薄くて、濡れたらぺったり張り付きます。当然そえとよろず君が風音ちゃんのそんな状況を見れば、えろっちい年頃なんでチラ見したりガン見したりと、いやがおうでも視線に曝されるでしょ?」
「……なるほどね」
「んでもってさらに、ぺったり張り付いた服は自分の心臓の鼓動をはっきり示す。まー私は胸あんまりおっきくないから全然分からないんですけどっ!」
ガッ! と箸をどんぶりに突き立てる能恵。やはり嫉妬していたのか羨ましいと思っていたのか。幼児体型な能恵だから仕方ないといえば仕方ないのだけど。