タレントアビリティ
バシバシと添の行動を当てる能恵。理由を聞けばいつも通りの答えしか帰ってこないので、わざわざ聞いたりはしない。言うに「日々の帰宅時間と添の性格を見れば分かる」だそうだ。
「みんなとご飯食べればいいのに、そえー?」
「それはお断り」
「なんでよー? ってそんな事、言わなくたって分かるんだけど。ねぇ、そんなに嫌?」
「嫌とかそんなのじゃなくてさ……」
「引け目、かぁ?」
そう、まさにその通り。添は目につく才能に引け目を感じて生きていて、だからこそ1人になれる時は1人を選んでいた。
それはやはり自分が惨めで、どうあがいても彼ら彼女らのようにはなれなくて、だから何も無い自分を自分な閉じ込めて。そんな生き方を、添はしている。
「能恵さんに言われなかったら、俺は何も気付かないままで生きてたのにさ」
「何よ、私とダブるくせに」
「ダブってない」
「重なる?」
「重なってもない」
かばんを畳に投げ出しながら添は冷蔵庫を開き、ペットボトルのミルクティーをラッパ飲み。紅茶は能恵も入れるのだが、1本100円バーゲン品が、庶民な添の舌にはちょうどいい。
「物差しの違いだよ、そえ」
「……いくらそうだろうとも、プラスマイナスの差ははっきりしてるでしょうが」
「でもねぇー」
「みんなとご飯食べればいいのに、そえー?」
「それはお断り」
「なんでよー? ってそんな事、言わなくたって分かるんだけど。ねぇ、そんなに嫌?」
「嫌とかそんなのじゃなくてさ……」
「引け目、かぁ?」
そう、まさにその通り。添は目につく才能に引け目を感じて生きていて、だからこそ1人になれる時は1人を選んでいた。
それはやはり自分が惨めで、どうあがいても彼ら彼女らのようにはなれなくて、だから何も無い自分を自分な閉じ込めて。そんな生き方を、添はしている。
「能恵さんに言われなかったら、俺は何も気付かないままで生きてたのにさ」
「何よ、私とダブるくせに」
「ダブってない」
「重なる?」
「重なってもない」
かばんを畳に投げ出しながら添は冷蔵庫を開き、ペットボトルのミルクティーをラッパ飲み。紅茶は能恵も入れるのだが、1本100円バーゲン品が、庶民な添の舌にはちょうどいい。
「物差しの違いだよ、そえ」
「……いくらそうだろうとも、プラスマイナスの差ははっきりしてるでしょうが」
「でもねぇー」