タレントアビリティ
「万引きだーっ!」
「そいつを捕まえて!」
「んのやろ! 逃がすか!」
フードコートに突入して来た少年の後ろから、そんな声が響いている。
少年はぱっと見て中学生くらい。小柄ですばしっこい動きをしながら、フードコートのテーブルをぴょんぴょんぴょんぴょん飛び移る。その手にはごっつい金時計。万引きした品物らしい。結構なお値段に見えた。
「そーえっ」
「え……」
「あなたのお仕事よ?」
「……マジですか」
「私疲れちゃったの。それに、クレープ手放すわけにはいかないからね」
そう言ってからツナマヨクレープを幸せそうに頬張る能恵。それから財布の中身を見て、ちらちらとクレープ屋の方を見て。もう1つ買いに行くらしい。万引き騒動に関してはだんまり。
添はそれにため息を1つ。そして能恵の手にあった最後の一口のクレープを略奪してから立ち上がる。万引きボーイが椅子や机を跳び移りながら迫って来た。
「あーっ! そえーっ! 私のクレープ!」
「……黙ってなさい」
ため息1つ。そしてこちらに迫る万引きボーイを見据えて、近づいたところで手を一気にのばして、その足を掴めば……!
「そいつを捕まえて!」
「んのやろ! 逃がすか!」
フードコートに突入して来た少年の後ろから、そんな声が響いている。
少年はぱっと見て中学生くらい。小柄ですばしっこい動きをしながら、フードコートのテーブルをぴょんぴょんぴょんぴょん飛び移る。その手にはごっつい金時計。万引きした品物らしい。結構なお値段に見えた。
「そーえっ」
「え……」
「あなたのお仕事よ?」
「……マジですか」
「私疲れちゃったの。それに、クレープ手放すわけにはいかないからね」
そう言ってからツナマヨクレープを幸せそうに頬張る能恵。それから財布の中身を見て、ちらちらとクレープ屋の方を見て。もう1つ買いに行くらしい。万引き騒動に関してはだんまり。
添はそれにため息を1つ。そして能恵の手にあった最後の一口のクレープを略奪してから立ち上がる。万引きボーイが椅子や机を跳び移りながら迫って来た。
「あーっ! そえーっ! 私のクレープ!」
「……黙ってなさい」
ため息1つ。そしてこちらに迫る万引きボーイを見据えて、近づいたところで手を一気にのばして、その足を掴めば……!