タレントアビリティ
ごろごろ転がりながら添の足元にたどり着き、ガバリと起きてペットボトルを引ったくる。そしてそのままラッパ飲み。間接キスとか今更の話。
23歳にしては幼い動き。添より遥かに小さな能恵に溜め息。こんなちっこいのに才能バリバリなのだ、能恵は。
「誉め言葉として受け取ってよね?」
「……期待しない」
「そえは、私の、劣化コピー! イェーイ!」
「誉め言葉、それ?」
「誉め言葉」
きつい誉め言葉だった。ペットボトルを引ったくり冷蔵庫に押し込む。すねる能恵を放置して、能恵が使っていたクッションを枕にした。
目を閉じる。ついさっき聞いたばかりの風音の演奏と彼女自身を罵る言葉が蘇る。それほどまでに衝撃的で、それだから風音がよく分からない。
あれほどの演奏が出来るのに、何故自身を持たないのか。あれほどの演奏が出来るのに、何故今までコンサート等の受賞報告が無かったのか。不思議な才能の持ち主、拍律風音。
「ねぇ能恵さん」
「……………………」
「能恵さん?」
「……………………知らないもん」
「紅茶奪ったから?」
「……です」
「あの、能恵さん。あなた一応成人してるんだから……」
「何が悪い」
「すみません」
今怒らせると聞くこと聞けない。年齢とか容姿に関して聞くと特に機嫌を悪くしてしまう。23歳のくせに幼い体つきだったり幼い動きだったり。
23歳にしては幼い動き。添より遥かに小さな能恵に溜め息。こんなちっこいのに才能バリバリなのだ、能恵は。
「誉め言葉として受け取ってよね?」
「……期待しない」
「そえは、私の、劣化コピー! イェーイ!」
「誉め言葉、それ?」
「誉め言葉」
きつい誉め言葉だった。ペットボトルを引ったくり冷蔵庫に押し込む。すねる能恵を放置して、能恵が使っていたクッションを枕にした。
目を閉じる。ついさっき聞いたばかりの風音の演奏と彼女自身を罵る言葉が蘇る。それほどまでに衝撃的で、それだから風音がよく分からない。
あれほどの演奏が出来るのに、何故自身を持たないのか。あれほどの演奏が出来るのに、何故今までコンサート等の受賞報告が無かったのか。不思議な才能の持ち主、拍律風音。
「ねぇ能恵さん」
「……………………」
「能恵さん?」
「……………………知らないもん」
「紅茶奪ったから?」
「……です」
「あの、能恵さん。あなた一応成人してるんだから……」
「何が悪い」
「すみません」
今怒らせると聞くこと聞けない。年齢とか容姿に関して聞くと特に機嫌を悪くしてしまう。23歳のくせに幼い体つきだったり幼い動きだったり。