Rain
一人になった部屋で聖夜くんにもらったクロスワードを広げると、ふとため息が出た。




あたしは大丈夫。


こんなん慣れっこやん…一人でも…平気なんだから…。










次の日からは今まで通りの毎日。

あたしは毎日忙しく過ごした。



あえて言うならば忙しくしていたかった。

考えたくなかった…聖夜くんのことを。




出会って間もない頃だったし、今までと変わらない日々に…戻りたかった。






もう忘れよう。

陸と再会したこと、聖夜くんと出会ったこと、バーや海遊館のことも…風邪の雨の日のことも。












それからしばらくは聖夜くんからの連絡もなく、あたしはあたしに戻りつつあった。




逆に良かった。

気持ちが動き出してしまう前で。










でも何かが違う…

あたしの中の“何か”が…。
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