Rain
『お疲れ様でーす』



ようやく帰る時間になり、あたしは仕事を終えるとお店を出てとりあえず電話をかけてみた。


プルルルル…






『はいー』

『聖夜くん?今仕事終わったぁ』

『マジで、ほんなら迎えに行くわ。待っといて。10分で行くから』







そうして電話を切ってぼーっと待っていると、すぐに車のクラクションが聞こえた。




早っ!!

聖夜くんは来るのがめちゃくちゃ早かった。






そうして車に乗り込んだのはいいものの、あたし達はなんとなくちょっと静かだった。




何を話せばいいんやろ…?


どんな顔するべき?







『きょ…今日はごめんな。な、なんか予定とかあったやん…な?ごめん』

聖夜くんは少し緊張してるような声でそう言った。





『全然大丈夫やで。予定なんかなかったし暇やったもん』




かなりウソ。

今日は浅田店長に話聞いてもらおうかなぁって考えてた。




むしろずっと連絡待ってたし!!!

鈍感!!!







『なに食いたい?俺今日ボーナス出たしめっちゃリッチマンやで』


隣で笑いながら聖夜くんはそう言った。
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