Rain

背中の温もり

『ごめん。俺やっぱり気持ちの整理つくまで知香と距離おこうかと思ってる』




香織と再会したあの日から一週間後、あたしの部屋で一緒にご飯を食べている時に聖夜に突然そう言われた。



なんとなく…分かってた。


聖夜はまだ香織のこと好きなんだってこと。


最悪な浮気症な女でも…

まだ気持ちが残ってるんだろうって。







『いやや』


でもあたしは頑なに拒んだ。

距離を置いたら別れに繋がる気がしたから…。







『聖夜の気持ちがあたしに1%でもあったらあたしはそれでいい。その分あたしが好きでおるから。だから…』



情けないすがりだった。

あたしにとっては経験したことのないくらい、ダサくてみじめでカッコ悪い女…







『俺…知香好きやで。でも…香織も好きやねん。どっちも同じぐらいになってる。だから分からんねん…』






ふざけんな…

聖夜…あんたまで…



あんたまであたしとあの子を同じように見てんの?





《もう…どうでもいい》
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