Rain
あの日から聖夜は変わった。


何も言わなくても毎日あたしの家に来てくれるようになった。




でもあたしは何かが胸の中に引っかかったままだった。



これって愛情なんだろうか?


セックスをしていたらそんなことを考えるようになった。




優しく抱いてくれる聖夜を感じながらも、何故かあたしを見てくれてないような気がして。





そんなある日、それが勘違いじゃないことに気付いた。




ベッドで大の字になって寝ていた聖夜を見ながら布団をかけてあげた時、小さい声で聖夜が言った。




『カオリ…』





寝言。

たった一言の寝言だった。



でもあたしの心はどん底。

なんなん…



聖夜の心の中にはまだあの子がいる。





何で?

あたし頑張ってるやん…



ずっとそばにおるって言ったやん…
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