Rain
『あたしが傷つくって分かってんのに何でそういうことできんの?そんなにあの子が大事?帰って!もう聖夜の顔なんか見たくない!』


『助けられる命かもしれんねんぞ!知香には半分同じ血が流れてるやんけ!!!』




初めて…
聖夜に怒鳴られた。

もうしんどい…

あたしは
涙も出なかった。






『ごめん知香…俺は知香が大事やねん。香織のことはほんまに俺の中では終わってる。でも助けることができるかもしれへんなら、その望みは捨てたらあかんと思う。
お前にはそんな女になってほしくないねん』


『…』



あたしは何も答えられなかった。



『とりあえずゆっくり考えて。俺はお前を信じてる。知香は傷ついてきたぶん人をほっといたりできひん、そうゆう女やって思ってるから』




聖夜はそう言うと部屋を出て行った。

あたしは呆然としたまま立ち上がることができなかった。


気持ちも空っぽになった。


人形と同じ…
心がなくなってしまったようだった。
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